土地家屋調査士法人アイ・デザイン

(併設)稲垣測量設計株式会社

土地測量業務

測量の基本となるのは基準点測量ですが、それ以外にも、地形測量、写真測量、応用測量等があります。
ここでは私たちに最も身近な「現況測量」と「境界確定測量」についてお話します。

【現況測量】

現況測量とは、現地において測量機器を用いて、地形、地物等を測定して、数値地形図データを作成する作業です。現地をあるがままに観測し測量図等を作成します。現況測量が必要となるのは次のような場合です。

(1)建物新築のための間口、奥行き、敷地形状、面積調査(現況求積測量、現況平面測量)
(2)土地の高低差(高低測量)
(3)真北の調査(真北測量)
(4)土地の評価(現況求積測量、現況平面測量)
(5)測量図の確認(点検測量)
これ以外にも、建物の高さや、窓の位置、越境物、樹木の位置や幹回りなどを図面にするのも現況測量です。

【境界確定測量】

境界確定測量とは、土地及び境界等について調査し、必要とする資料や測量図を作成する作業です。現地において関係権利者立会いの上、境界を確認し、境界点に境界杭を設置して、測量図等を作成し、境界確認書の取り交わしを行います。境界確定測量が必要となる場面についてさらに詳しく見ていきましょう。

  • (1)土地の売買

    以前は、公簿面積(登記簿に載っている面積)での売買で良かった事例も多くありましたが、地価高騰の影響により、最近、特に都市部の売買においては、買主側から土地の境界を確定した上での実測面積による売買を求められるケースが増えています。また、隣接地との境界を確定した証として、境界確認書の引渡しを要求されます。ちなみに、土地の境界を確定するためには、隣接地の所有者と現地で立会い、境界をお互いに確認する作業が必要となります。そのため隣接土地所有者の協力が無いと、境界が決められないという事態になり、売買ができないということになる場合もあります。

  • (2)土地の物納

    土地については申告期限(相続開始から10ヶ月以内)までに境界確認書、測量図、登記事項証明書などの必要書類を提出しなければなりません。要するに、「現地」と「測量図」と「登記簿」を一致させることが、土地を物納するための要件なのです。境界確定測量をするためには、比較的長い時間を必要とするため、実際は被相続人の方が生きているうちに測量に着手しないと、申告期限までに間に合わないということが起こってしまいます。

  • (3)土地の分筆

    平成17年3月7日から新不動産登記法及びその関連法令等が施行されたことにより、土地の分筆登記申請をする際に、法務局に提出する地積測量図の取り扱いが明確化されました。これにより、分筆登記をしようとする土地については、全ての境界について、隣接土地所有者との境界確認作業が必要となっています。

  • (4)寄付や払い下げ

    土地の寄付(帰属)や、国(公)有地の払い下げをする場合には、寄付や払い下げをする土地を特定する必要があることから、境界確定測量が必要となります。手続きについては、所管の役所によって違うため、土地家屋調査士または、最寄りの市区町村役場にお問い合わせ下さい。

  • (5)境界杭の復元

    身近な例では、道路工事等でお隣との境界杭が無くなってしまった場合にも境界確定測量が必要となります。無くなった境界杭に関係する土地所有者全員の立会い、確認の上で、新しい境界杭を設置しないと、境界紛争の基となってしまいます。

以上が境界確定測量の代表例ですが、この他にも土地の境界や面積を確定する必要がある場合には、境界確定測量を実施しなければなりません。

【現況測量と境界確定測量の違い】

現況測量と境界確定測量の違いは、現況測量は現地にある「物」を測って測量図等を作成するのに対して、境界確定測量は目に見えない「境界」を測って測量図等にしなければならない点が大きな違いです。
境界確定測量を実施するためには、隣接土地所有者の協力が必要不可欠となります。隣接土地所有者の中には、境界の立会いに協力して頂けない方や、その土地について相続争いをしている方、所有権について係争中の方、行方不明者、認知症、知的障害者、精神障害者の方などがいる場合があります。境界紛争とまではならないにしても、境界について意見の違う方などがいて、境界が合意されるまでに数年を要する案件もあります。

【将来に備えて境界確定】

将来の相続を考える場合には、土地の所有者さんが元気なうちに土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を実施されることをお勧めいたします。なお不動産収入のある地主さんについては、測量に掛かった費用を経費とすることができる場合があります。また、相続が開始した後で、土地を物納するために掛かった測量費用などは、物納申請者の負担となりますのでご注意下さい。

不動産登記の代行

【土地】

土地表題登記

国有地の払い下げを受けた場合に表題部を創設する手続きです。土地境界確定測量が必要です。

土地地目変更登記

土地の利用形態を変更した場合に行う手続きです。 たとえば畑に建物を建てた場合「畑」から「宅地」に変更します。基本、測量作業は必要ありません。

土地地積更正登記

登記簿面積と実測面積が相違している場合に行う手続きです。土地境界確定測量が不可欠です。

土地分筆登記

1筆の土地を複数の筆に分割する手続きです。「土地の一部を売却したい」「相続で土地を分けたい」といった場合に必要になります。それに伴い土地境界確定測量が必要です。

土地合筆登記

分筆とは逆で複数の土地を1つにする手続きです。基本、測量作業は必要ありません。

【建物】

建物表題登記

建物の登記簿表題部を創設する手続きです。建物を新築した場合や建物が未登記であった場合に必要です。

建物種類変更登記

建物の用途を変更した場合にする手続きです。「店舗」から「居宅」、「居宅」から「事務所」などです。

建物構造変更登記

建物の一部を増築したり、屋根材を変えたりした場合に行う手続きです。建物に手を加えたことにより構造(木造等)、屋根材(かわら等)、床面積に変更が生じたときに必要です。

建物滅失登記

建物の登記簿を閉鎖する手続きです。建物が取り壊しや焼失で存在しなくなった場合必要です。